2016年3月10日木曜日

[ロンドン 9日 ロイター]アングル:市場はゼロ金利あと10年想定か、「日本の教訓」警戒

[ロンドン 9日 ロイター] -
世界の金融市場は、年明け早々に起きた大きな混乱から立ち直ってきたかもしれない。ただ市場の世界経済や物価に関する見通しは極めて厳しく、先進国ではゼロ近辺の金利水準があと10年は続くと想定されているほどだ。

米連邦準備理事会(FRB)は既に利上げを開始し、これから金利正常化が進むことを予想しているが、市場は元米財務長官のローレンス・サマーズ氏が言い始めた「長期停滞」論を受け入れているように見える。

この考え方によれば、世界経済は人口高齢化と生産性の伸び鈍化のために物価と賃金の上昇率が構造的に低い状況が長引く。つまり需要を刺激するには実質金利をゼロよりも大幅に低くする必要が出てくる。

ところが名目金利はゼロからそれほど大きくマイナスにできそうにはない。なぜなら現金保有のコストがより低下することに加え、銀行の収益が悪化し始めているからだ。従ってマイナス金利は小幅にとどまり、需要に勢いを与えられないことになる。

こうした見方が正しいかどうかでは意見が分かれているものの、金融市場では実際に長期停滞論を反映した動きが顕在化しつつあり、金利スワップが示す長期見通しでは、先進国の金利は向こう数年、ゼロ近辺で推移するとされる。

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