2016年3月1日火曜日

[東京 1日ロイター] - コラム:深手負ったドル円、底入れは年末か=植野大作氏

[ロイター東京 1日] - 
早春の為替市場でドル円相場のトレンドが明確な下降局面に転じる兆しが現れた。昨年は1年もかけて10.0円の幅でしか動かなかったが、1月末から2月上旬にかけてわずか9営業日で10.7円も暴落、一時110.99円まで差し込んだからだ。

短期的にはさすがに売られ過ぎの感も強いため、この先どこかで5円程度の自律反発が生じる可能性はある。だが、多くのドル円ファンが、すう勢判断の際に重視している52週移動平均線は2月中旬を境に下向きに転じており、再び右肩上がりの傾向に復帰するためには、今すぐ120円台以上の水準に復帰した上で、6月初旬にかけては125円超の空中戦を再開しなければならない。

現在のドル円相場からみると相当に高いハードルだ。この先、ごく短期間に一気呵成の失地回復を遂げない限り、「右肩下がりに転じた52週線が現値の上から覆いかぶさる」という構図が定着しそうだ。このタイミングでドル円相場のチャート上に刻まれた10円以上の「差し込み傷」はあまりにも大きく、テクニカル的には上昇トレンドへの早期復帰がほぼ絶望的となる深手を負ったと判断せざるを得ない。

<1ドル=105円前後までの「差し込み」も想定すべき>

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