2016年3月7日月曜日

[北京 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] コラム:中国の非現実的な成長目標、「改革の痛み」先送り

Rachel Morarjee

[北京 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

中国が今回発表した5カ年計画は、中央の政策立案者が依然として国内経済の舵取りを担っていることを明確にした。

指導部は2020年まで、年間の経済成長率を少なくとも6.5%とすることを定めた。過去の成長率を下回るものの、相変わらず高水準だ。非現実的な目標はリバランス(再均衡)の遅れや債務拡大を通じて経済をゆがめるだろう。

中国の国内総生産(GDP)統計には長らく疑惑の目が向けられている。内部告発サイトのウィキリークスによると、5日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で経済目標を示した李克強首相ですら、2007年に米国の外交官に対し、鉄道貨物量、電力消費量といった指標をより重視していると漏らしたほどだ。

とはいえ、経済目標の重要性に変わりはない。地方の指導者は地元の経済基盤が何であれ、その目標を達成できるかどうかに昇進がかかっているからだ。

ロシアに接している北東部の黒竜江省をみてみよう。同省の公式発表では2015年の経済成長率は約5.6%となっているが、国内最大の産油量を誇る大慶では域内総生産が約4分の1も減少するなど、省内の複数の都市は省全体の成長率を大幅に下回る数字を発表している。

それにもかかわらず、同省の指導部は今年、少なくとも6%の成長率を目指している。都市部の失業率も4.5%以下が目標だという。

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