Rahul Jacob
[香港 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] -
新興国市場の投資家は夏の嵐に備える必要がある。米連邦準備理事会(FRB)当局者の相次ぐ発言を受けて6月の利上げ観測が再燃しており、新興国の為替相場や資本フローが再び圧迫される可能性があるためだ。
中国をはじめとする新興国市場は今年波乱のスタートを切ったが、ここ数カ月間はある程度の落ち着きを取り戻している。
しかし、米利上げ観測やドル高の影響を受けやすい状況は続いている。
主要通貨バスケットに対するドル指数は5月に約3%上昇し、過去3カ月間の低下から反転している。
ドルの上昇は他国のドル建て債務コストを押し上げる。ダイワ・キャピタル・マーケッツによると、中国やインドの企業など海外の借り手はドル建て債務9兆8000億ドルのわずかしか返済していない。
このところは中国経済に回復の兆しが見られるが、こうした状況も長く続かない可能性がある。大幅な景気減速への懸念が影を潜めたが、その要因はすでに膨れ上がっていた債務をさらに拡大させたことが大きい。
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