2017年3月2日木曜日

[ワシントン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS]コラム:トランプ氏議会演説、投資家に矛盾するシグナル発信

Gina Chon

[ワシントン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

トランプ米大統領は28日、投資家に改めてまちまちのシグナルを送った。不法移民に合法滞在の道を開くと記者団に述べた後、上下両院合同会議での演説では、犯罪を犯す外国人を非難した。税制改革やヘルスケア改革に関する新たな詳細もほとんど示さなかった。

今回の演説では、「米国の大虐殺」などといった言葉を用いた大統領就任演説の暗いトーンとは異なり、トランプ氏は「ささいな争いは過ぎ去った」と述べた。しかし、午前のFOXとのインタビューでは、自身に対する全国的な抗議運動を巡り、オバマ前大統領を批判した。

今月にはツイッターで「偽ニュースメディア」は米国民の敵だとコメントしている。

トランプ氏は議会演説で、メキシコとの国境に「壁」を建設すると改めて表明。米国は「無法な混乱状態」をそのままにしておくことはできないとの考えを示した。

トランプ氏のゲストには、不法移民によって殺害された米国人の遺族らの姿があった。しかし、トランプ氏がこの日、国内の不法移民に何らかの形で合法滞在の道を開く可能性を示唆したことを踏まえると、彼らの存在が多少気になる。

共和党の最優先課題は、医療保険改革法(オバマケア)を廃止し別の新たな制度に置き換えることだが、その方策についてでさえ、分裂した共和党はコンセンサスを形成できていない。

トランプ氏は、米国民の保険加入を促すために税額控除や医療貯蓄口座を利用すべきだとし下院共和党の案を示唆したが、詳細への言及はなく、改革案は「コストを押し下げると同時に、より良い制度を提供」すべきと述べるにとどまった。

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