2015年12月31日木曜日

成田でSail On(高坂先輩のヨット豆知識)第11回目「海の本」(ヨットに興味ある方必見!)

高坂先輩のヨット豆知識「成田でSail Onとても面白いエッセイなのでシリーズでご紹介しています。(今とは少し違う世界の若者がそこにはいます)

《舵》(舵社):ヨットといえば舵という老舗月刊誌。バブルの頃はヨット関連だけで月刊誌も3誌ほどありましたが最後に残っているのはこれだけ。成田の本屋さんでは置いてない所もありちょっとさびしいところですが、初心者からベテランまで、レース派からクルージング派、最近は船での料理の作り方まで何でも来いの内容充実。「売ります買います」「メンバー募集」等の昔から続いている名物コーナーは、昨今はインターネットに置き換わったのか件数激減なのがさびしい限り。とはいうものの毎号掲載される素晴らしいカラー写真を見ながら気分だけは南平洋にひとっ飛びできるのも事実。ついつい書店に並んでいると買ってしまいます。
《きゃびん夜話1-5》(田辺英蔵著 舵社):上記月刊誌に連載されたエッセイ集。著者が仕事も遊びもエネルギッシュに取り組んでいた40代から、仕事も辞め、ヨットも台風で壊れ手放してしまい引退する60代までを綴っています。エッセイ集とはいいながら伝記を読んでいる気にさせられてしまう1冊です。内容は海に関することに限らず、クルージング仲間のこと家族のこと仕事のことと幅広く、気軽に読めてしまう割に深いものがあります。しかしながら30年前に著者が指摘していた行政の欠陥が今でも変わっていないことにショック。また、著者は人生の最後を地中海のクルーズで締めくくっていてうらやましい限りですが、できれば私は日本の中で同様の余生を過ごせるようになれればいいなと思う今日この頃。 《たった一人の生還 『たか号』漂流27日間の闘い》(佐野三治著 新潮文庫):グアム島までのヨットレース中に遭難しただ1人生き残った著者の記録。ヨットは命がけのスポーツだということを思い知らされます。ヨットレースの準備段階からレースがスタートし、遭難、メンバーの死、生還という1ヶ月あまりの出来事はあまりにも強烈です。同じく遭難記録の《大西洋漂流76日間》(スティーヴン・キャラハン著 早川書房)はもっとすごい。映画にもなった《パーフェクト・ストーム》(セバスチャン・ユンガー著 集英社)は一度は読んでみてください。自然の脅威のなかで働く人々の姿が目に浮かんできます。《ツバメ号とアマゾン号》(アーサー・ランサム著 岩波書店):子供向け小説とはいえヨットのレースについての描写は本物。ヨットに乗らなければ絶対わからない戦術、操船まできっちり書かれています。(私も20歳過ぎに読み返して、始めて理解した部分がいくつもありました)。子供達だけでヨットレースをするなんて何と素敵なことでしょう。その他のシリーズも海にちなんだものが多く、十分楽しめます。 《ゴジラ丸船長浮気めぐり》(宮原昭夫著 集英社):単なる酒好きのおっさんが海に出たくなり、実際に海に出ての一部始終。著者の海関連の本は、多彩な登場人物の海で真剣に楽しむ姿がほほえましく描かれ、つい読み進んでしまいます。《南十字星に針路をとって》(崎山克彦著 新潮文庫):南太平洋セブ島の近くに移り住んだ著者がハワイまでのクルーザー回航(船を持っていくこと)の乗組員としての航海記。途中で立ち寄る島の人々との交流、南国のゆったりとした時間の流れが読んでいるだけで伝わってきます。ブランド嗜好が蔓延し、物やお金に対する執着がまだまだ強い日本にいながら、何も持たないことの素晴らしさを感じさせてくれます。 今回ご紹介した本は書店に行くとついつい買い込んでしまった海関連書籍のほんの一部です。まだまだおもしろい本は数々ありますが、何と行っても自分で実際に体験するのが一番楽しいですね。さあ本のなかの世界から飛び出し、海へ行って潮風にあたりましょう!!

2015年12月13日日曜日

訃報のお知らせです。


武蔵大学ヨット部創設にご尽力頂きました小寺隆さんが8月に御亡くなりになられました。

創部当時の多大なご貢献有難う御座いました。

心よりお悔やみ申し上げます。