2016年3月31日木曜日

[東京 31日 ロイター]アングル:「尊厳死」法制化に揺れる日本 高齢化と財政難が拍車

[東京 31日 ロイター] -

 定年退職した元航空会社職員、丹澤太良さんにとって、84歳の母親が迎えた安らかな死は自分自身の終末の姿を考える重い体験でもあった。

悪性リンパ腫として限られた余命を宣告された母親は、診断を受けた病院を出て介護施設に移った。延命治療は拒み、痛みを緩和する措置だけを受けながら、静かに息を引き取った。

「(母の死は)まだ早いと思っていたが、同時にこういった死に方もあると思った」と68歳の丹澤さんはロイターに語った。

その後まもなく、丹澤さんは自分自身の「リビング・ウイル」(遺言書)を作成し、病気や事故などの結果で死期が迫ったり、植物状態になったりした場合でも延命措置は望まないと明記した。

<「死のありかた」へ高まる関心>

[上海 31日 ロイター]関連トピックス: トップニュース, ビジネス 中国の格付け見通しを安定的からネガティブに引き下げ=S&P

[上海 31日 ロイター] -

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、中国の格付け見通しを安定的からネガティブに引き下げた。AAマイナスの格付けは据え置いた。

政府の改革予定は進んでいるが、予想よりは遅くなる可能性が高いため、見通しを引き下げた。

中国の今後3年の成長率は年間6%かそれを上回る水準になるとみている。

[東京 31日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は小幅高、重要指標発表前で動きとれず

[東京 31日 ロイター] -

<14:20>  日経平均は小幅高、重要指標発表前で動きとれず

日経平均は小幅高。1万9100円台前半で推移している。市場では「お化粧買いによる年度末株高の思惑もあったが、期待外れの薄化粧となっている。あすの日中米の重要指標を控えて主要な投資家は動きが取れなくなっている」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月30日水曜日

2016年武蔵大ヨット部新勧活動開始!



2016年武蔵大学ヨット部は新歓活動を開始しました。
関係者皆様の御尽力に感謝すると同時に
一人でも多くの新入生に興味を持って頂けたらと思います。

4月2日(土)・4日(月)午後から正門を入ったところの
3号館案内板の付近で受付していますのでお立ち寄り下さい!



Welcome! Musashi Yacht 


[東京 30日 ロイター] 〔マーケットアイ〕株式:日経平均・日足は「小陰線」、もち合い継続

[東京 30日 ロイター] -

<15:36>  日経平均・日足は「小陰線」、もち合い継続

日経平均・日足はほほ安値引けの「小陰線」となった。下降中の75日移動平均線(1万7271円12銭=30日)が上値を押さえる一方、25日移動平均線(1万6770円16銭=同)が下値をサポートする形に変化はなく、引き続き三角もち合いの煮詰まり局面だ。ボリンジャーバンドも中央線に向けて収れんする形状であり、早晩もち合い放れが予想される。大きく振れた方向にトレンドが発生しやすい。一目均衡表では雲領域が大きく広がった状態であり、上下どちらに振れるにしてもエネルギーが必要となる。

2016年3月29日火曜日

[東京 29日 ロイター] 焦点:経済対策、消費刺激策と成長戦略の2本柱の公算

[東京 29日 ロイター] -
2016年度予算が成立し、政府は足元で弱さが見える消費動向を視野に、経済対策の具体的な検討に入る。短期的な消費刺激策と、中長期的な視点に立った成長戦略で構成された政策パッケージを打ち出す見通し。

5月末の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)では、各国と財政出動に関して議論し、世界経済への貢献を旗印に歳出増にカジを切り替える可能性も出てきた。

<増税判断、カギ握る消費動向>

[29日 ロイター] 世界経済懸念行き過ぎ、緩やかな利上げ適切=米連銀総裁

[29日 ロイター] -
米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は29日、米経済の状況を踏まえると、緩やかな利上げが適切との考えを示したうえで、世界経済の減速や金融市場の混乱による影響をめぐる懸念は行き過ぎ、と主張した。シンガポール国立大学で行う講演のなかで述べた。

総裁は「他国経済の影響はわが国には波及していない」とし「雑音に惑わされず、(利上げへの)軌道上を進み続けるべきだ」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)は今月、政策金利を据え置き、想定する今年の利上げ回数を4回から2回に減らすなど慎重な姿勢を示した。

一方、ウィリアムズ総裁はきょうのシンガポールでの講演で、失業率は2016年末までに4.5%前後に下がり、インフレ率は向こう2年以内にはFRBが目標とする2%に上昇する、との見通しを示した。

総裁は「望ましい状態にはまだ、到達していないものの、最近の状況は非常に勇気づけられるものであり、(インフレ)目標の達成に向けて順調に進んでいるという、私の見方を補強するものだ」とし、全般的に米経済は順調に推移していると指摘した。

[東京 29日 ロイター] 焦点:日銀マイナス金利の効果これから、マインド低下の声も

[東京 29日 ロイター] -
日銀のマイナス金利導入決断から2カ月が経過し、直接的な狙いとする金利全体の低下が目立っている。一方、設備投資の増加や期待インフレ率の押し上げなど、景気や物価面への波及はこれからだ。

金融機関を中心にマイナス金利への警戒感がくすぶり、心理面で不安感を強めてしまったとの声が識者から出るなか、日銀はマイナス金利の実体経済への波及に向け、手綱を締め直す態勢だ。

<進まなかったインフレ期待の進展>

[東京 29日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ一服、こう着感は継続

[東京 29日 ロイター] -

<14:23>  日経平均は下げ一服、こう着感は継続

日経平均は下げ一服。足元では1万7100円近辺で推移しているが、引き続きこう着感の強い展開が続いている。「商いが膨らまず、どうしても中小型株が物色される形となってしまう。国内では財政出動など政策への思惑が広がっているが、ならばもっとドラスティックに上がってもいいはず。上値の重さには来期企業業績に対する投資家の自信のなさが反映されている」(国内証券)との声が出ている。

[ニューヨーク 28日 ロイター]ドルが対円以外で軟調、米早期利上げ観測後退=NY市場

[ニューヨーク 28日 ロイター] -
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円を除く主要通貨に対して軟化した。2月の米個人消費支出(PCE)が微増にとどまり、PCE物価指数も全体的な物価上昇圧力の弱さを示したことで、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退した。

PCEは1月分も下方修正され、2月PCE物価指数はマイナスに転じた。これらのデータが、先週の複数の米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派発言をきっかけに高まった4月ないし6月の利上げ期待を後退させた。

このため主要6通貨に対するドル指数.DXYは、1週間半ぶりの高値水準から下落し、直近は0.18%安の95.965となった。

ユーロ/ドルEUR=は23日以来の高値となる1.1218ドルに上昇した後、終盤は0.28%高の1.1195ドル。ドル/スイスフランCHF=は終盤0.39%安の0.9733スイスフランだった。

ドル/円JPY=は終盤0.27%高の113.35円。

2016年3月28日月曜日

[東京 28日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均はプラス圏、先物主導で持ち直す

[東京 28日 ロイター] -

<14:47>  日経平均はプラス圏、先物主導で持ち直す

日経平均は持ち直し、再度プラス圏に浮上。足元では1万7100円近辺で推移している。「円安が進行した割には内需が買われ、指数の上値の重さを嫌気した売りに押された。安値圏では押し目を拾う動きがみられたが、売買は細く、先物主導で上下する展開が続いているのには変わりがない」(中堅証券)との声が出ている。

2016年3月25日金曜日

[東京 25日 ロイター] 〔クロスマーケットアイ〕過剰流動性の幻想、増えないワールドダラー

[東京 25日 ロイター] -

先進国における未曾有の低金利環境にもかかわらず、過剰流動性の目
安であるワールドダラーはむしろ縮小気味だ。日欧が金融緩和を強化する一方、米国は利上げ政策に転換。
原油安でオイルマネーの勢いもそがれた。景気や企業業績への不安があるなかで、マネーが流れ込んでいる
のは「安全資産」の国債。株式などリスク資産価格を押し上げる力は弱い。
       
    <ワールドダラーの停滞>

[東京 25日 ロイター] 家計・企業の金融資産、12月末は過去最高 現預金の積み増し続く

[東京 25日 ロイター] -
日銀が25日に発表した2015年10─12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は昨年12月末時点で1741兆円と過去最高となった。企業の金融資産も1117兆円と最大。そのうち現金・預金が過去最高の246兆円に増加している。

12月末の家計の金融資産残高は前年比1.7%増となり、これまで過去最高だった昨年6月末の1734兆円を上回った。前年から29兆円増加したが、このうち株式などの評価額の上昇分は8兆円程度となった。

内訳をみると、現金・預金が901兆円と同1.3%増加。全体の51.8%を占める。投資信託や株式も増加しているものの、株式は評価額の上昇分を除けば減少しており、家計の慎重姿勢に大きな変化はみられていない。

[東京 25日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は堅調持続、保険株が一段高

[東京 25日 ロイター] -

<14:30>  日経平均は堅調持続、保険株が一段高

日経平均は堅調持続、1万7000円付近で推移している。T&Dホールディングス などの保険株が高い。市場では「海外投資家が不在の中、期末一括配当の生保株などに権利取りの買いが入っている」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月24日木曜日

[東京 24日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は小幅安、商い薄く小康状態

[東京 24日 ロイター] -

<14:30>  日経平均は小幅安、商い薄く小康状態

日経平均は小幅安、1万6900円台の値動きが続いている。市場では「イースター休暇前で海外勢の売買が減少傾向にある。3月期末の権利取り前に国内勢も売りを急ぐ姿勢はみられず小康状態になっている。方向感が出るのは29日の権利落ち以降だろう」(国内証券)との声が出ている。

[東京 24日 ロイター]ロイター企業調査:景気対策「必要」75%、消費増税は賛否拮抗

[東京 24日 ロイター] -
3月のロイター企業調査によると、現在の経済情勢で景気対策が必要とみる企業が全体の75%を占めた。株価対策を含め、消費テコ入れやマイナス金利の効果を後押しする需要創出が必要との意見が相次いだ。2017年4月の消費増税実施については賛否が拮抗(きっこう)している。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に3月3日─17日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は250社程度。

──関連記事:ロイター企業調査:マイナス金利「評価せず」6割超、金融機関影響に不安

景気対策が「必要」との意見は全体の75%、「必要ない」は25%だった。

[東京 24日 ロイター]来年度補正などの対策検討している事実全くない=菅官房長官

[東京 24日 ロイター] -
菅義偉官房長官は24日午前の会見で、政府が2016年度の本予算成立後に補正予算の編成を検討しているとの報道がみられることについて「そうした対策を検討している事実はまったくない」と否定した。

政府が3月の月例経済報告で景気判断を下方修正したことに関しては「景気は緩やかな回復基調にあるとの認識には変わりはない」と述べた。

[東京 24日 ロイター] ロイター企業調査:マイナス金利「評価せず」6割超、金融に不安

[東京 24日 ロイター] -
3月のロイター企業調査によると、日銀が導入したマイナス金利政策を評価しない企業が全体の62%にのぼった。金融機関への負担が大きい政策であり、金融システムへの不安が大きい。企業経営にとっても、個人や企業のマインド慎重化や円高・株安の悪影響があるとみられている。企業預金にマイナス金利が適用された場合は、現金を引き出すとの回答が全体の15%にのぼった。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に3月3日─17日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は240社程度。

──関連記事:ロイター企業調査:75%が景気対策「必要」、消費増税は賛否拮抗

<不評の背景は金融機関経営への不安>

2016年3月23日水曜日

[東京 22日 ロイター]世界経済は弱さ蔓延、収支気にせず財政出動を=クルーグマン教授

[東京 22日 ロイター] -
政府は22日夕刻、第三回国際金融経済分析会合を開催しポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大学教授(プリンストン大名誉教授)から意見を聴取した。クルーグマン教授は「世界経済は弱さが蔓延している」と指摘し、各国が財政出動で協調すべきと強調した。

日本に対しては「長期的には財政状況が心配」としつつ「2─3年は収支を気にせず財政出動すべき」と指摘。事実上日本に対して消費税引き上げの延期を進言した格好だ。

クルーグマン教授の発言内容は、会合後にクルーグマン教授および内閣府幹部が記者団に明らかにした。

<消費税引き上げは「問題」>

[東京 23日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は1万7000円割れ、上値の重さを嫌気

[東京 23日 ロイター] -

<14:29>  日経平均は1万7000円割れ、上値の重さを嫌気

日経平均は軟調、1万7000円割れの水準で推移している。ファーストリテイリング の大幅高が支え。市場では「売買高が膨らまず、上値の重さを嫌気した売りが優勢になっている。個人の資金は新興株市場に向かっている」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月22日火曜日

[香港 21日 ロイター BREAKINGVIEWS]コラム:膨らみ続ける中国の債務、抑制策は先送り

By Peter Thal Larsen

[香港 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の債務負担は増加の一途をたどることになるだろう。昨年の債務総額は国内総生産(GDP)の約250%に達し、与信の膨張に歯止めが掛からないことへの懸念が強まっている。だが非現実的な経済成長目標を達成するよう求める圧力により、債務を抑えるための持続的な取り組みは先送りされてしまうだろう。

政府の新たな5カ年計画では、直面するジレンマが鮮明になっている。李克強首相は、2020年までの年平均実質成長率目標を6.5%以上にすると表明した。広義の民間セクター融資を示す「社会融資総量」は2016年に13%増える見通しだ。このため、仮にインフレが楽観的な目標である3%になったとしても、債務の伸びは名目GDPを上回ることになる。こうした傾向が続けば、債務総額は2020年までにGDPの約290%に達する見込みだ。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は企業債務の増加に懸念を示しているが、政府が融資を抑える兆候はほとんど見当たらない。銀行が今年1─2月に新規融資として貸し出した金額は3兆5000億元(5億4000万ドル)で前年同期比3割強の増加となった。中国企業は、国内で借り入れた資金を外国での企業合併・買収(M&A)に充当している。トムソンワンによると、中国企業による外国でのM&Aの総額は今年、1000億ドル近くに達している。株式市場がもっと健全であれば、企業はより多くの株式を発行して債務負担を軽減できるのだが、昨年のバブル崩壊により投資家は慎重な姿勢を強めている。

[東京 22日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は一進一退、ドル/円に連動する動き

[東京 22日 ロイター] -

<14:04>  日経平均は一進一退、ドル/円に連動する動き

日経平均は一進一退。ドル/円 の値動きに連動して先物市場での短期売買に振らされる展開となっている。

市場では「年度末の水準を意識した買い支えなどの思惑が働きやすい。為替が次第に落ち着きを取り戻せば、日本株も底堅さを保つだろう」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月18日金曜日

[東京 18日 ロイター] コラム:事実上の米金融緩和が示す「2つの問題」=鈴木敏之氏

[東京 18日 ロイター] -
米国のコアインフレ率に上昇の兆しが見える。失業率は4.9%まで低下。経験則で言えば、景気の過熱を懸念しなければならないところだ。それでも15―16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、金融緩和を行ったに等しい結果となった。

つまり、世界経済と金融情勢は引き続きリスクであるという判断を残し、次回の4月26―27日のFOMCでの利上げの可能性を小さくしたのである。

また、今回発表されたFOMC経済見通しのフェデラルファンド(FF)金利予測で、年内の利上げ回数は2回であることが示唆された。昨年末には4回と示唆されていたので、意外とも言える大きな引き下げである。

さらに、景気に中立的なFF金利は、メンバーの中位値で3.5%から3.25%に引き下げられた。これは、今後のFF金利パスの期待形成に影響を与え、やはり緩和効果を持つことになる。

<「ROW」の低迷と成長期待喪失の懸念>

[東京 18日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は軟調継続、円高警戒で戻り鈍い

[東京 18日 ロイター] -

<14:30>  日経平均は軟調継続、円高警戒で戻り鈍い

日経平均は軟調継続。1万6600円台で推移している。輸出株やインバウンド関連株など円高デメリット銘柄が安い。市場では「下値は政策期待が支えになっているが、戻りは鈍い。国内3連休中の円高警戒があり、ポジションを取りにくい」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月17日木曜日

[東京 17日 ロイター] 〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げに転じる、円高を嫌気

[東京 17日 ロイター] -

<13:48>  日経平均は下げに転じる、円高を嫌気

日経平均は下げに転じ、1万7000円台割れの水準で推移している。自動車、電機などの輸出株が下げている。市場では「円高を嫌気した売りの圧力が強くなっている。もともと日経平均が270円も上昇する理由はなく、朝方の過剰反応の修正だ」(国内証券)との声が出ている。

[16日 ロイター]米FOMC、年内利上げ予想2回に引き下げ:識者はこうみる

[16日 ロイター] -
米連邦準備理事会(FRB)は16日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。だが米経済の緩やかな成長と力強い雇用の伸びを受けて、今年再び利上げすることが可能との認識を示した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

[ワシントン 16日 ロイター]米FRB金利据え置き 世界リスクで年内利上げ予想2回に引き下げ

[ワシントン 16日 ロイター] -
米連邦準備理事会(FRB)は16日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。米経済の成長は継続し労働市場も健全としたが、世界経済の弱含みを背景に年内の想定利上げペースを2回に引き下げた。

公表したFRB当局者の金利見通しでは、大半の当局者が年内2度の25ベーシスポイント(bp)利上げを見込んでいることが示された。年内4回を見込んでいた昨年12月から半減した。

イエレン議長はFOMC後の会見で、声明ではインフレの上向きを挙げたが、最近のインフレ加速の兆候も一時的なトレンドではないと指摘。「持続するとみられる大幅な上昇が出ているとはまだ結論付けていない」として、今後の状況を見極める必要があるとの認識を示し、見通しを取り巻く不確実性を強調した。

議長は「米経済はここ数カ月、衝撃にもかかわらず底堅い」が、現時点で利上げするには世界的なリスクが明白過ぎると述べた。

また大半の参加者の金利見通しの変化は「世界経済の成長見通しがやや減速したとの見方をおおむね反映している」と説明した。

2016年3月16日水曜日

[東京 16日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は軟調もみ合い、利益確定売り優勢

[東京 16日 ロイター] -

<14:20>  日経平均は軟調もみ合い、利益確定売り優勢

日経平均は軟調もみ合い、1万6900円台後半で推移している。午後2時15分現在の東証1部売買代金は1.4兆円と低調。市場では「FOMC前で売買高が膨らまない中、小口の利益確定売りに押されている。今年度の決算を固めつつある段階で新規のポジションを取りにくい投資家も少なくない」(国内証券)との声が出ている。

[東京 16日 ロイター]コラム:全人代後も残る中国経済「2つの不安」=西濱徹氏

[東京 16日 ロイター] -
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が16日、閉幕した。今年の全人代では、経済・社会の向こう5年間の発展目標を示す「第13次5カ年計画」の詳細が討議された。

習近平政権は発足直後に、中華民族の偉大な復興実現を目標とする「中国の夢」というスローガンを発表し、その後は同国経済が「新常態(ニューノーマル)」に突入しているとして、構造改革の必要性を強調する姿勢を見せてきた。しかし、これまで政権はスローガンや目標といった「青写真」は示すものの、具体的な方策に乏しい状況が続いてきた。ただ、今回は「5カ年計画」の討議などを通じて、具体的な方策に落とし込む作業が進んだとの見方が出ている。

全人代の初日には、「5カ年計画」の大枠として、対象期間中における経済成長率の目標を「平均6.5%以上」とする方針が示された。ただし、この水準は習政権が掲げる「所得倍増計画(2020年の1人当たり国民所得を2010年と比較して倍増させる計画)」の実現を前提に、成長率を逆算すれば算出可能な数値であり、これ自体に特段驚きはない。

また、2016年の経済成長率目標についても、先月末以降、政府関係者から漏れ伝わってきた内容(6.5―7.0%)と同じだ。昨年来の中国発による度重なる混乱が「市場との対話」の欠如に起因してきたことから、これを相当意識したと見られる。

今回示された内容や、足下における経済指標などを見る限りは、昨年以降の度重なる混乱の度に中国景気に対して寄せられた不信感は幾分過剰だった可能性はある。しかし、習政権が取り組むとした構造改革のタイミングやそのペースを間違えると、予想外の形で同国のみならず世界経済に悪影響を与えるリスクはある。習政権にとっては、これまで以上に「市場との対話」に神経を使う必要性が高まっていると言えよう。

<実体経済に対する「過度な不安」は後退>

[パームビーチ(米フロリダ州)/ワシントン 15日 ロイター]フロリダ予備選、トランプ氏とクリントン氏勝利へ ルビオ氏撤退

[パームビーチ(米フロリダ州)/ワシントン 15日 ロイター] -
米大統領選に向けた民主・共和両党予備選は15日、5州で投票が行われ、複数の地元メディアの報道によると、フロリダ州の共和党予備選は実業家ドナルド・トランプ氏が勝利の見通しとなった。この日はフロリダ州のほか、オハイオ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、イリノイ州で予備選を実施、「スーパーチューズデー」に続くヤマ場とされる。

また各社報道によると、民主党は、ヒラリー・クリントン前国務長官がフロリダ州、ノースカロライナ州、オハイオ州で勝利する公算。

[サンフランシスコ 15日 ロイター]米FOMC始まる、6月利上げへ地ならしか リスク分析に注目

[サンフランシスコ 15日 ロイター]-
米連邦準備理事会(FRB)は15日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を据え置く一方、雇用市場、インフレが引き続き改善する限り、そう遠くない時期に追加利上げに踏み切るとの姿勢を示す見込みだ。

FOMCは、米東部時間午後1時(日本時間16日午前2時)から1日目の討議を開始した。16日の米東部時間午後2時に声明を公表、2時半からイエレン議長が四半期に一度の会見に臨む。

予想を上回る2月の米雇用統計など、最近の米指標は底堅く、海外からの向かい風や金融環境のひっ迫が米景気の腰を折るとの懸念はここ数週間で和らいだ。

2016年3月15日火曜日

[東京 15日 ロイター]日銀は政策維持、景気判断を下方修正:識者はこうみる

[東京 15日 ロイター] -
日銀は15日の金融政策決定会合で、1月に導入したマイナス金利付き量的・質的緩和政策の現状維持を賛成多数で決めた。市場関係者の見方は以下の通り。

識者は≫

[東京 15日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は安値圏、再度様子見ムードに

[東京 15日 ロイター] -

<14:14>  日経平均は安値圏、再度様子見ムードに

日経平均は安値圏。1万7080円近辺で推移している。一時的に強含んだ証券・銀行株が下げに転じた。黒田日銀総裁の会見などを見極めたいとの心理から、様子見ムードも広がっている。「前日に勢いよく上昇した反動もあるが、目先のところは買い材料はなく、FOMCを前に利食い売りも出ている」(国内証券)との声が出ている。

[東京 15日 ロイター]日銀は金融政策の維持決定、MRFはマイナス金利適用除外に

[東京 15日 ロイター] -
日銀は15日の金融政策決定会合で、1月に導入したマイナス金利付き量的・質的緩和政策の現状維持を賛成多数で決めた。

マイナス金利政策の副作用を軽減するために、1)ゼロ%金利残高の3カ月ごとの見直し、2)MRF受託残高のゼロ%金利適用──などを導入した。

貸出支援・被災地オペの残高を増やした金融機関は増加額の2倍をゼロ%金利適用する。

量的・質的緩和政策には9人の審議委員のうち、木内登英審議委員が反対。マイナス金利政策は佐藤健裕審議委員、木内委員が反対した。

景気の現状判断については「輸出・生産面に鈍さが見られる」との文言を付け加え下方修正した。

黒田東彦総裁は午後3時30分から記者会見する。

[北京 14日 ロイター]アングル:中国の「供給側改革」、温水便座から食堂まで適用

[北京 14日 ロイター] -
その言葉はある人にとっては中国でどこでも見られるちっぽけな麺物屋の改装を意味し、ある人にとってはハイテク便座(温水洗浄便座)の製造を意味している。「供給側改革」は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での流行語だが、解釈はさまざまで、正確な意味はあいまいなままだ。

習近平国家主席の昨年終盤の発言で注目されるようになった供給側改革(サプライサイド・リフォーム)という言葉。米国のレーガン元大統領が規制緩和や減税を導入する際に用いた英語のフレーズが由来だ。アナリストらは国有企業の再編などを通じ、国内経済における政府の役割を縮小して市場原理を一段と働かせることを狙ったものだと説明している。

しかし、実のところ具体的な意味は誰もよくわかっておらず、数千人いる全人代の代表がそれぞれ独自の解釈をする中で、省級政府による無駄遣いといったリスクが高まっているほか、中央政府の政策を地方に浸透させることの難しさを浮き彫りにしている。

[モスクワ/ワシントン/ベイルート 14日 ロイター]ロシア大統領、シリア展開軍の撤退を命令 15日開始

[モスクワ/ワシントン/ベイルート 14日 ロイター] -
 ロシアのプーチン大統領は14日、シリアに展開するロシア軍に対し撤退を開始するよう命令した。15日から順次撤退を開始する。プーチン大統領は、オバマ米大統領との電話協議で、今回の決定について説明した。

プーチン大統領は大統領府で開いた国防相と外務相との会合で、「ロシア軍に課された任務は全般的に完遂されたと考えている」と発言。国防相に「シリアからロシア軍の主要部隊の撤退を15日に開始する」と指示した。

[13日 ロイター] -アングル:荒れる選挙集会、SNSで広がる「反トランプ運動」

[カンザスシティー(ミズーリ州)/ブルーミントン(イリノイ州) 13日 ロイター] -
米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は、自身に反対する人たちについて、悪党、プロの集団、もしくは民主党候補のバーニー・サンダース氏の支持者と呼ぶ。

だが、トランプ氏への抗議活動に力を入れている人たちは、全国的な団体にも属さず、さまざまな経歴を持つ人たちだ。彼らはフェイスブックや無数の擁護団体を通して団結している。

イリノイ州シカゴで11日開催予定だったトランプ氏の大規模な集会では、同氏に抗議する人たちが押し寄せた。その結果、安全上の懸念から、集会は中止を余儀なくされた。彼らは、この勢いを維持すべく、方法を模索している。

──関連記事:支持者集会での混乱、トランプ氏は責任否定

[ロンドン 14日 ロイター]OPEC産原油需要予想下方修正、供給過多加速へ=月報

[ロンドン 14日 ロイター] -
石油加盟国機構(OPEC)は14日に公表した月報で、非加盟国の原油価格低下に対する耐性が増していることを背景に供給過多が加速するとし、2016年のOPEC産原油に対する需要見通しを前月から下方修正した。

OPECは今年の非加盟国の供給量は日量70万バレル減少するとの予想を維持。ただ前年と今年の非加盟国の絶対的な供給量を上方修正し、石油会社が生産量の維持に向けた努力を続けていることで、今年の状況を正確に予想することは難しくなっているとの見解を示した。

そのうえで「特に米国で生産コストの低下が見られたことに加え、石油会社の間でリスクのヘッジが進み、損失を出しながらも生産が続けられるようになった」と指摘。こうしたことを反映し、OPEC産原油に対する16年の需要は平均日量3152万バレルになるとし、前月に示した予想から日量9万バレル下方修正した。

月報によると、2月のOPEC産油量は日量3228万バレル。前月から日量17万5000バレル程度減少した。

[東京 14日 ロイター] インタビュー:消費増税強行、かなりのリスク=浜田内閣官房参与

[東京 14日 ロイター] -
安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授は14日、ロイターとのインタビューに応じ、政府が予定している2017年4月の消費税率10%への引き上げについて、個人消費が鈍い中で強行することにはかなりのリスクがあるとの認識を示した。

また、金融市場の不安心理が強い現状で、日銀は14、15日の金融政策決定会合で追加緩和を見送るだろう、と語った。

浜田氏は、政府が5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、世界経済の現状について内外の有識者と話し合う「国際金融経済分析会合」に出席する予定。同会合では、世界の金融・経済情勢について意見交換が行われるが、浜田氏によると来年4月に予定されている消費増税が日本経済に与える影響についても識者から考えを聞くことになるという。

浜田氏は、現在の個人消費の鈍さについて、消費増税が控えていることも消費者の行動を慎重にしている可能性があると指摘。先行きの不安感が市場に漂っている中で株価も軟調な展開になっており、「(消費増税を)強行するのは、かなりのリスクがある。(経済の)パイが縮小してしまう」と増税に否定的な見解を表明した。

増税判断は「政治的、経済的リスクを一身に引き受けている安倍首相がすること」としたが、民主党政権時代に自民、公明との3党合意で消費増税が決まった経緯に言及し、「今の政権ではない人が主に決めたこと。増税したら船がガクっとくることがわかっている時に、3年前の船長と約束したのだからやりましょう、とは言えない」と語った。

<本田氏の補正5━7兆円に賛成>

[北京 14日 ロイター] 中国人民銀、2月は外貨売り越しが減少 資本流出鈍る

[北京 14日 ロイター] -
中国人民銀行(中央銀行)は2月に2279億元(351億ドル)相当の外貨売り越しとなった。売り越し額は1月の6445億元から減少、資金流出ペースが鈍化し、元相場支援に向けた人民銀の介入が減ったことが示された。

人民銀が14日公表したデータを基にロイターが算出した。

昨年12月の外貨売り越し額は過去最高の7082億元相当だった。

2016年3月14日月曜日

FXフォーカス3月14日【IG証券 石川順一さん】

[東京 14日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は上げ一服、利益確定売りに押される

[東京 14日 ロイター] -

<14:19>  日経平均は上げ一服、利益確定売りに押される

日経平均は上げ一服。1万7200円近辺での値動きとなっている。「日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に控え、利益を確定させる目的の売りが出ている。大型株のリバウンドが一服したとの見方から、資金余力のある個人投資家が値動きのよい中小型株を物色している」(国内証券)との声が出ている。

[東京 14日]コラム:「荒れ相場」示唆する世界経済事情=山口曜一郎氏

[東京 14日] -
現在のマーケットは今なお不安定だが、2月に比べると幾分落ち着きを取り戻している。この一因はドルの下落であり、米国経済、新興国、原油市場といった懸念要因に対してドル安がクッションになっているとみられる。

米連邦準備理事会(FRB)が発表している26カ国を対象としたドルの実効為替レートは、1月20日の高値126.24から今月4日の122.16まで3.2%下落した。ドル安は、米国経済にプラスに効き、米国の利上げとドル高の影響にさらされる新興国経済への不安を和らげ、人民元の売り圧力を緩め、原油などドル建ての商品価格の反発を助ける。

とはいえ、米国経済の不透明性、金融政策の効果への疑問、中国や原油価格などのリスクオフ要因が早晩消え去るとは思わない。これら経済および金融市場の不透明性の背景には、世界経済の「成長の源泉」不足という問題があるからだ。

<前倒し需要枯渇で金融政策の効果が減退か>

[東京 14日 ロイター] 機械受注1月は大型案件の影響で大幅増、製造業弱めの動き

[東京 14日 ロイター] -
内閣府が14日に発表した1月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比15.0%増と2カ月連続の増加、9347億円と高水準となった。ただ鉄鋼業からの大型受注が数字を押し上げており、これを除くと主要製造業で足元弱めの動きが目立つ。世界経済の減速を受けて投資計画の先送りの動きが指摘されている。

1月は製造業は前月比41.2%増と高い伸び。鉄鋼業で、中期計画に盛り込まれた老朽化設備の更新投資を中心に原動機や化学機械など複数の大型受注が押し上げた。1月は正月休みでもともとの受注額が小さいため、振れが大きくなった面もある。

しかし、そのほかの主要業種では自動車関連や一般機械、素材業種で3カ月移動平均でみて足元弱めの動きが目立ってきた。

外需は同29.4%減で3カ月連続の減少となり、海外での設備投資需要が振るわないことが影響しているとみられる。こうした要因が製造業の受注動向の背景にありそうだ。

[サンパウロ/ブラジリア 13日 ロイター]ブラジル、大統領退任求め過去最大規模のデモ 不況や汚職に怒り

[サンパウロ/ブラジリア 13日 ロイター] -
ブラジルで13日、ルセフ大統領の退任を求める全国規模のデモが実施された。深刻な不況に、政府要人の汚職問題が加わり、国民の不満は沸点に達しつつある。

警察の推計では、デモ参加者は約300万人。経済の中心地サンパウロでは、調査会社Datafolhaの推計で、過去最高の50万人が参加した。

政府関係者はロイターに対し、今回のデモが、100万人が参加した2015年3月の反政府デモを超える規模だと認めた。

デモ参加者はこれまでと同様、ルセフ政権の汚職に憤る中間層が主体。衝突は起きていないもよう。

2016年3月11日金曜日

[東京 11日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は堅調もみ合い、1万7000円の攻防

[東京 11日 ロイター] -

<14:30>  日経平均は堅調もみ合い、1万7000円の攻防

日経平均は堅調もみ合い。1万7000円の攻防となっている。市場では「米原油先物の上昇に加え、財政出動の思惑から建設などにも買いが入っている。SQ分を除く実商いは依然低水準であり、1万7000円台の戻り売りをこなすには力不足だ」(国内証券)との声が出ている。

[北京 10日 ロイター BREAKINGVIEWS]コラム:中国シャドーバンキング熱、「ゾンビ企業」の温床に

[北京 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

中国の影の銀行(シャドーバンキング)セクターは、金融システムの中心にリスクを蓄積しつつ、市場から退出すべき「ゾンビ企業」を生き永らえさせている。

いわゆる「理財商品」への投資総額は昨年、57%増加して3兆6000億ドルにも達した。この伸びの大きさだけで十分心配に値するが、それだけでなく調達された資金の大半が、問題のある借り手を支えていることが最新のデータからうかがえる。

中国において理財商品は短期の投資先だ。通常は銀行を通じて販売され、現金のほかに国債や社債、デリバティブ(金融派生商品)が裏付け資産となる。銀行にお金を預けるよりも良いリターンが得られるとして、長らく個人投資家の間で人気になってきた。

中国政府証券預託信託清算会社が最近公表したリポートは、理財商品セクターがいかに巨大化したかを物語っている。このセクターの運用資産は過去2年で倍増し、中国の銀行預金量の約17%に達した。

[10日 ロイター]アングル:福島原発の「グラウンド・ゼロ」、廃炉への長い道

[10日 ロイター] -
福島第1原発の原子炉で、溶融した高放射能核燃料を発見するべく送り込まれたロボットは「息絶えて」しまった。地下水の汚染防止をめざして、破壊された原発の周囲を囲む地下の「凍土壁」はいまだ完成していない。

そして、原発の敷地の周囲に増え続ける一方のタンクに貯蔵された高濃度汚染水をどう処理すればいいのか、関係当局は依然として途方に暮れている。

5年前、史上最大級の地震による10メートルの津波が福島第1原子力発電所を襲い、複数の原子炉が炉心溶融(メルトダウン)を起こした。東日本大震災による死者・行方不明者は約1万8500人、関連死を含めると犠牲者は2万1000人を超える。16万人が住居と生計の手段を失った。

──関連記事:原発事故から5年、帰還住民が直面する「消えゆく町」

[陸前高田市(岩手) 11日 ロイター]東日本大震災から5年、津波に引き裂かれる被災地の思い

[陸前高田市(岩手) 11日 ロイター] -
2011年3月11日に発生した東日本大震災からきょうで丸5年。マグニチュード(M)9.0の未曾有の地震が引き起こした大津波は街を飲み込み、1986年のチェルノブイリ事故以来最悪の原発事故を招いた。

震災による死者・行方不明者は約1万8500人、関連死を含めると犠牲者は2万1000人を超える。16万人が住居と生計の手段を失った。

津波により東京電力(9501.T)福島第1原子力発電所の原子炉3基がメルトダウンし、放射能汚染が広がった。原発付近に住む16万人以上が避難を余儀なくされ、その約10%が福島県内の仮設住宅で今でも生活している。

[フランクフルト 10日 ロイター]CBが追加緩和、一段の利下げ否定に「バズーカ不発」批判

[フランクフルト 10日 ロイター] -

欧州中央銀行(ECB)は10日、主要3金利の一斉引き下げや月額の資産買い入れ枠拡大を含む一連の追加緩和策を発表した。景気を支援するとともに、低インフレの定着回避を狙う。

ドラギECB総裁は理事会後の会見で「(低インフレの)二次的影響を回避することが極めて重要」と強調。包括的な追加緩和策を決定したのは、異例の低インフレが経済全般に波及するのを防ぐためと説明した。

市場は当初、事前予想を上回る大胆な金融緩和パッケージを素直に好感したが、ドラギ総裁が追加利下げの可能性は低いとの考えを示したことで流れが一変、ユーロは急反発した。予想を下回る追加緩和策で失望を誘った昨年12月と同様、ドラギ総裁は市場との対話に再び失敗したとの批判も上がった。

(ブルームバーグ)ECB、3つの政策金利全て引き下げ-資産購入を月800億ユーロに

(ブルームバーグ):
欧州中央銀行(ECB)は10日、フランクフルトで定例政策委員会を開き、3つの政策金利全ての引き下げを決めた。量的緩和(QE)での月間購入額は3分の1増やした。デフレ阻止の取り組みを強化した。
下限政策金利である中銀預金金利は0.1ポイント引き下げマイナス0.4%とした。主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利は0.00%と従来の0.05%から引き下げ。上限政策金利の限界貸出金利は0.25%(従来0.3%)とした。量的緩和(QE)の月間購入額は4月から800億ユーロ(約9兆9000億円)とし、社債も対象に含める。新たな一連の条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)も開始する。
ユーロ圏でインフレの弱さが続き中国経済減速によって成長も脅かされる中、ECBは景気刺激措置を見直す方針を示し、ドラギ総裁は成長を支えインフレを回復させるために必要な措置を取ると繰り返し言明していた。

2016年3月10日木曜日

[フランクフルト 10日 ロイター]ECB金利すべて引き下げ、量的緩和も拡大

[フランクフルト 10日 ロイター] -
欧州中央銀行(ECB)は10日、主要政策金利であるリファイナンス金利を予想外に0.05%から0.00%に引き下げた。

上限金利の限界貸出金利も0.30%から0.25%に引き下げ、下限金利の中銀預金金利はマイナス0.30%からマイナス0.40%に引き下げた。

市場は、中銀預金金利がマイナス0.40%に下げられると予想していた。

ECBは、資産買い入れ規模を月間600億ユーロから800億ユーロに拡大すると発表。買い入れ額は市場予想の700億ユーロを上回った。

[東京 10日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は高値圏、東証1部売買代金は低水準

[東京 10日 ロイター] -

<14:45>  日経平均は高値圏、東証1部売買代金は低水準

日経平均は高値圏、1万6800円台後半で推移している。午後2時45分現在の東証1部売買代金は1.6兆円と今年最低水準。市場では「値幅は出ているが主要な投資家は様子見姿勢だ。短期筋による中小型のテーマ株、材料株が物色の中心になっている」(国内証券)との声が出ている。

[東京 10日 ロイター]北朝鮮の弾道ミサイル発射、厳重に抗議=菅官房長官

[東京 10日 ロイター] -
菅義偉官房長官は10日午前の会見で、北朝鮮が同日朝にミサイルを発射したことについて、国連安全保障理事会の決議に違反するものだとし、厳重に抗議したことを明らかにした。

菅官房長官によると、北朝鮮は10日午前5時22分と午前5時27分ごろに北朝鮮西岸の南方付近から弾道ミサイルそれぞれ1発を東北東方向に発射した。弾道ミサイルは約500キロ飛翔し、日本海上に落下したと推定されるという。現在までのところ、ミサイル発射による被害は確認されていない。

[ロンドン 9日 ロイター]アングル:市場はゼロ金利あと10年想定か、「日本の教訓」警戒

[ロンドン 9日 ロイター] -
世界の金融市場は、年明け早々に起きた大きな混乱から立ち直ってきたかもしれない。ただ市場の世界経済や物価に関する見通しは極めて厳しく、先進国ではゼロ近辺の金利水準があと10年は続くと想定されているほどだ。

米連邦準備理事会(FRB)は既に利上げを開始し、これから金利正常化が進むことを予想しているが、市場は元米財務長官のローレンス・サマーズ氏が言い始めた「長期停滞」論を受け入れているように見える。

この考え方によれば、世界経済は人口高齢化と生産性の伸び鈍化のために物価と賃金の上昇率が構造的に低い状況が長引く。つまり需要を刺激するには実質金利をゼロよりも大幅に低くする必要が出てくる。

ところが名目金利はゼロからそれほど大きくマイナスにできそうにはない。なぜなら現金保有のコストがより低下することに加え、銀行の収益が悪化し始めているからだ。従ってマイナス金利は小幅にとどまり、需要に勢いを与えられないことになる。

こうした見方が正しいかどうかでは意見が分かれているものの、金融市場では実際に長期停滞論を反映した動きが顕在化しつつあり、金利スワップが示す長期見通しでは、先進国の金利は向こう数年、ゼロ近辺で推移するとされる。

[東京 9日 ロイター]インタビュー:消費増税は物価2%達成が前提=本田参与

[東京 9日 ロイター] -
安倍晋三首相の経済ブレーンである本田悦朗内閣官房参与は9日、ロイターとのインタビューに応じ、2017年4月に予定されている10%への消費再増税は早期凍結が必要との見解を示した。

また、国内経済の現状をみれば、5─7兆円規模の補正予算による経済対策が不可欠と強調。理想論として言えば、消費を活性化する観点から消費税7%への引き下げが望ましく、日銀もマイナス金利と量の「合わせ技」による追加緩和が予想されるとの見解を示した。

<サミット後の消費増税・凍結宣言望ましい>

2016年3月9日水曜日

[東京 9日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ幅縮小、情報・通信がプラス圏

[東京 9日 ロイター] -

<14:36>  日経平均は下げ幅縮小、情報・通信がプラス圏

日経平均は下げ幅縮小。1万6600円台で推移している。情報・通信がプラス圏。市場では「メジャーSQに向けたロールオーバーが進み、需給面での波乱要素は少なくなってきた。足元の調整でも投資家心理の悪化は限定的であり、押し目を買う動きが見られる」(国内証券)との声が出ている。

[デトロイト 8日 ロイター] 米民主党ミシガン州予備選、サンダース氏が勝利の見通し=AP

[デトロイト 8日 ロイター] -

AP通信や米FOXニュースは、大統領選候補者選びで8日行われた民主党のミシガン州予備選で、バーニー・サンダース上院議員が勝利する見通しと報じた。

同日に行われたミシシッピ州予備選ではヒラリー・クリントン前国務長官が勝利した。同州はクリントン氏が支持基盤とするアフリカ系米国人の有権者数が多く、出口調査ではアフリカ系米国人からの支持率は90%に上った。

一方の共和党では、ミシガン州とミシシッピ州の予備選で不動産王のドナルド・トランプ氏が勝利した。

15日にはオハイオ州やフロリダ州などで予備選が予定されており、この日のミシガン州での勝利は、党内からの反対圧力が強まっているトランプ氏にとって重要なものとなる可能性がある。来週オハイオ州やフロリダ州などで勝利した場合、マルコ・ルビオ上院議員やオハイオ州知事のジョン・ケーシック氏が指名争いから撤退することも考えられ、テッド・クルーズ上院議員がトランプ氏を追撃することも難しくなりそうだ。

[東京 9日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ幅拡大、海運・鉄鋼などが売られる

[東京 9日 ロイター] -

<10:00>  日経平均は下げ幅拡大、海運・鉄鋼などが売られる

日経平均は下げ幅が250円超に拡大し、1万6500円台で推移している。中国の輸出大幅減で世界景気の減速懸念が意識され、海運、鉄鋼、非鉄など景気敏感、市況系セクターが安い。市場では「あくまでも月初からの上昇に対するスピード調整だが、メジャーSQ前の水曜日であり、先物主導で振れ幅が拡大することに警戒感が出ている」(国内証券)という。

[ニューヨーク 8日 ロイター] リスク回避で円上昇、中国貿易統計で輸出入大幅減=NY市場

[ニューヨーク 8日 ロイター] -
終盤のニューヨーク外為市場では、円が買われた。アジア時間に発表された2月の中国貿易統計で輸出入が大きく落ち込み世界経済減速懸念が高まると、安全資産とされる円やスイスフランが上昇した。また石油や産業用金属価格の下落で、資源国通貨の豪ドルやカナダドルなどが売られた。

ドル/円JPY=は約1週間ぶり安値の112.41円に下落後、終盤は0.8%安の112.56円。ユーロ/円EURJPY=も終盤0.8%安の123.92円となっている。

2月の中国貿易統計で米ドルベースの輸出は前年同月比25.4%減で、2009年5月以来の大幅な落ち込みとなった。輸入も13.8%減で、16カ月連続の減少だった。

エバーコアISI(ニューヨーク)のストラテジスト、スタン・シップリー氏は「中国経済が苦境に陥ってるのなら、足元でリスク回避の動きが起こっていることになる」と述べた。

[ニューヨーク 8日 ロイター]原油先物3%安、価格上昇は持続不可能とゴールドマンが指摘

[ニューヨーク 8日 ロイター] -
 8日の原油先物市場は3%超下落。ゴールドマン・サックスが原油相場の上昇は持続可能でないとの見方を示したことや、週間の米原油在庫統計が過去最高水準を更新するとの見通しが相場を圧迫した。

クウェートのサレハ石油相代行が同日、イランを含めた主要産油国が増産凍結で合意した場合に限り、クウェートも凍結を実施すると述べるなど、増産凍結に向けた産油国の足並みがそろっていないことも懸念を誘った。

2016年3月8日火曜日

[ロンドン 7日 ロイター] コラム:原油価格、「強気」に転じたヘッジファンド

John Kemp

[ロンドン 7日 ロイター] -
ヘッジファンドは昨年末時点で、原油価格について非常な弱気からかなり強気の姿勢に転じた。特に北海ブレントに対してその傾向が見える。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、3月1日までに、ヘッジファンドやその他の資産運用会社は、ニューヨーク商品取引所(NYMEX)とインターコンチネンタル取引所(ICE)において計4億4500万バレル相当の原油の買い持ち(ショートを差し引いたロングポジション)を構築している。米WTI原油と北海ブレントの先物・オプションの買い持ち規模は先週、610万バレル増加し、9カ月ぶりの高水準に達した。

年初来ではこれらの買い持ちは2億バレル強増加している。

ヘッジファンドはWTIよりも北海ブレントに強気だ。WTIの買い持ちが1億0200万バレルなのに対して、北海ブレントは3億4200万バレルもある。

1日までの週にヘッジファンドは北海ブレントのロングを1600万バレル積み増した一方、ショートは約600万バレル削減した。

[東京 8日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は下げ渋り、日銀のETF買い期待などが支え

[東京 8日 ロイター] -

<14:12>  日経平均は下げ渋り、日銀のETF買い期待などが支え

日経平均は下げ渋り。1万6800円近辺まで値を戻している。

市場では「日銀によるETF買い入れ期待などが下支えしているようだ。押し目を拾う動きもあるが、短期筋が主体であり、戻れば売りに転じる公算が大きい」(国内証券)という。

[東京 8日 ロイター]中国貿易統計、輸出が大幅減少:識者はこうみる

[東京 8日 ロイター] - 
中国税関総署が公表したデータによると、2月の輸出はドル建てで前年同月比25.4%減、輸入は13.8%減だった。輸出は2009年5月以降で最大の落ち込みとなった。市場関係者のコメントは以下の通り。

<キャピタル・セキュリティーズ(北京)のエコノミスト、 WANG JIANHUI氏>

2月の貿易統計が1月より悪化したのは事実だ。ただ、中国経済が悪化しているということではなく、季節性の影響だ。

第1に、2月の半分は春節の休暇でビジネスがストップしたことが挙げられる。また、中国の主要貿易相手国も2月は貿易統計の内容が悪かった。

今回の統計は市場にとってショックな内容だったが、経済の鈍化を示すものではないことをじきに理解するだろう。ただ、それには時間が必要だ。

われわれが通常不安視するのは、貿易統計が3カ月連続で悪化した場合や、5月や10月といった通常の月に悪化した場合だ。

<国都証券(北京)のアナリスト、肖世俊氏>

FXフォーカス3月7日【IG証券 石川順一さん】

2016年3月7日月曜日

[北京 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] コラム:中国の非現実的な成長目標、「改革の痛み」先送り

Rachel Morarjee

[北京 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

中国が今回発表した5カ年計画は、中央の政策立案者が依然として国内経済の舵取りを担っていることを明確にした。

指導部は2020年まで、年間の経済成長率を少なくとも6.5%とすることを定めた。過去の成長率を下回るものの、相変わらず高水準だ。非現実的な目標はリバランス(再均衡)の遅れや債務拡大を通じて経済をゆがめるだろう。

中国の国内総生産(GDP)統計には長らく疑惑の目が向けられている。内部告発サイトのウィキリークスによると、5日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭で経済目標を示した李克強首相ですら、2007年に米国の外交官に対し、鉄道貨物量、電力消費量といった指標をより重視していると漏らしたほどだ。

とはいえ、経済目標の重要性に変わりはない。地方の指導者は地元の経済基盤が何であれ、その目標を達成できるかどうかに昇進がかかっているからだ。

ロシアに接している北東部の黒竜江省をみてみよう。同省の公式発表では2015年の経済成長率は約5.6%となっているが、国内最大の産油量を誇る大慶では域内総生産が約4分の1も減少するなど、省内の複数の都市は省全体の成長率を大幅に下回る数字を発表している。

それにもかかわらず、同省の指導部は今年、少なくとも6%の成長率を目指している。都市部の失業率も4.5%以下が目標だという。

〔マーケットアイ〕株式:日経平均は軟調もみ合い、商い低水準で見送りムード

[東京 7日 ロイター] -

<14:10>  日経平均は軟調もみ合い、商い低水準で見送りムード

日経平均は軟調もみ合い。1万6900円台前半で推移している。午後2時時点の東証1部の売買代金は1兆5181億円と低水準にとどまっている。「欧州中央銀行(ECB)理事会を見極めたいとして、見送りムードが強い」(国内証券)という。

[北京 4日 ロイター BREAKINGVIEWS]コラム:中国の改革を阻む「ゾンビ企業」の過剰雇用

Rachel Morarjee

[北京 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] -
中国では赤字を計上し続けながらも存続している「ゾンビ企業」が過剰な雇用を抱えており、思い切った改革に乗り出せば労働争議が起きかねない。

これこそが、石炭やセメントなど不振を続ける国営産業の立て直しを目指す政策担当者が直面する難題だ。

政府は大々的な雇用削減を打ち出す地ならしを始めつつある。石炭と鉄鋼セクターでは180万人を減らすと表明したが、期限は定めていない。また複数の関係筋は3日、ロイターに対して7つのセクターで最大600万人を削減する可能性があり、石炭と鉄鋼の解雇対策費用だけで230億ドルを費やすと語った。

しかしこうした劇的な人員削減でも、国営セクターの過剰設備を解消するには不十分だ。

例えば鉄鋼は、中国鉄鋼協会によると全体の生産設備の約3分の1が今は稼働していない。昨年は1981年以降で初めて生産が減少したものの、需要はさらに落ち込み、今年の設備稼働率は一層低下するとみられる。

[北京 5日 ロイター]中国全人代が開幕、5カ年計画の成長率6.5%以上に

[北京 5日 ロイター] - 
中国の第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第4回会議が5日、北京で開幕した。李克強首相は第13次5カ年計画で、2016年から20年までの年平均成長率目標を6.5%以上にすると表明した。また、雇用を創出し、非効率な産業の再編を進める方針も示した。

中国経済は世界貿易の低迷や金融市場の混乱に直面しており、6.5%という成長率が現実になれば、25年ぶり低水準となる。

李克強首相は冒頭、所信表明演説に当たる政府活動報告で「われわれの国の発展は一段の困難に直面しており、厳しい戦いに備える必要がある」と語った。

2016年の成長率目標は6.5─7%とした。インフレ率目標は3%前後、マネーサプライの伸びは13%前後とする。

[北京 6日 ロイター] - 中国、ハードランディングはあり得ない=発改委主任

[北京 6日 ロイター] - 
中国国家発展改革委員会(発改委、NDRC)の徐紹史主任は6日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)期間中の記者会見で、中国経済はハードランディングに向かっておらず、世界経済の足を引っ張ってもいないと述べた。

ただ、不透明かつ不安定な世界経済が中国の経済成長にとってリスクになっているとした。

徐主任は「中国がハードランディングに至ることはあり得ない」と指摘した。また、中国は政府支出の「効率性」改善に向けて努力すると強調した。

<新常態>

[東京 7日 ロイター] 消費増税の延期、一部官庁で効果の検討開始=政府関係者

[東京 7日 ロイター] -
2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げをめぐり、一部の経済官庁で延期した場合の経済効果や実施した場合の経済への打撃について、非公式に検討を始めた。複数の政府関係者が明らかにした。

増税実施の場合、個人消費の落ち込みが大きくなるとの予想も出ており、最終的には安倍晋三首相が5月中旬に発表される予定の16年1─3月期国内総生産(GDP)などを見て判断するとみられる。

複数の政府関係者によると、14年4月から消費税率を5%から8%に上げた際の個人消費の落ち込みを基準に、今回の2%引き上げでどの程度の落ち込みになるか概算。

交渉が進んでいる今年の春闘での賃上げの状況を勘案してみると、消費増税による所得の実質的な目減りを完全に埋め合わせることができない公算が大きくなったという。

また、消費増税の実施1年前の消費マインドについて、各種の統計やアンケートから13年春と現在とを比較してみると、「現在のマインドは相当悪い」(政府関係者の1人)という。

一方、延期した場合の副作用としては、財政健全化への懸念の高まりを想定している。ただ、安倍政権の発足から3年経過し、その間に国と地方の税収が21兆円増加している点に注目。このうち消費増税分が8兆円で、経済効果分が13兆円と試算する。

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] コラム:順調な雇用増の裏にある米経済の「弱点」

Gina Chon

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 
力強い雇用創出という面に基づけば、米国経済は順調に推移している。しかし4日発表された2月の非農業部門雇用者数が24万2000人増加したことがすべてを物語っているわけではない。

生産性と国内総生産(GDP)成長率はなお期待外れの動きを続け、国民が不安感から消費を手控えて経済成長が緩やかにとどまる状況がますます定着しつつある。

オバマ政権は、2月の失業率が4.9%という低水準を維持したことが米経済の強さの象徴だと指摘している。それは確かであり、最悪だった2009年の10%から大幅に改善した。だが雇用は経済の健全性を示す指標の1つでしかないし、他のいくつかの指標はそれほど明るくない。

第4・四半期のGDP成長率は前期比1%というさえない数字だった。同じ期間の個人消費も2%とぱっとしない伸びで、労働生産性は年率2.2%低下した。米国の生産性は失速しているように見受けられ、このまま上昇しなければ、賃金と景気信頼感をそれなりの幅で押し上げる力を得ることができない。

2016年3月6日日曜日

[ワシントン 2日 ロイター] 焦点:「トランプ旋風」見過ごした米共和党上層部の誤算

[ワシントン 2日 ロイター]
昨年6月のある晩、一部の共和党大口献金者が、ユタ州ディアバレーの高級リゾートで催されたカクテルパーティーに参加していた。元マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏が主催した3日間の小旅行イベントの一部である。

客たちは大統領選立候補予定者6人の話を聞いてきたばかりだった。工具メーカーであるポジテックツール社のトム・ダンカン最高経営責任者(CEO)は、翌年11月の大統領選に勝利するための夢のカードについて数人の出席者と語り合っていた。大統領候補にウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏、副大統領候補にフロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員といった布陣である。

ダンカン氏自身は、オハイオ州知事のジョン・ケーシック氏をひいきにしていたが、ヒューレット・パッカード元CEOのカーリー・フィオリーナ氏にも注目していた。だが、何カ月も前から出馬の意向をほのめかしていたドナルド・トランプ氏の名前を挙げる者は1人もいなかった。

2016年3月5日土曜日

【北京共同】中国、成長率目標引き下げ

【北京共同】中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第4回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、2016年から20年までの新たな中期経済目標「第13次5カ年計画」で国内総生産(GDP)成長率目標を引き下げ、「年平均6・5%以上」と表明。16年の成長率目標も事実上引き下げた。

[4日 ロイター] 米2月雇用は大幅増、賃金は減少:識者はこうみる

[4日 ロイター] -
米労働省が発表した2月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が24万2000人増となり、伸びは市場予想の19万人増を大きく上回った。労働市場の力強さが鮮明となったことでリセッション(景気後退)をめぐる懸念が一段と和らぎ、連邦準備理事会(FRB)による年内の緩やかな利上げ実施を後押しすると見られる。

失業率は4.9%と前月から横ばいとなり、8年ぶりの低水準を維持した。一方、時間当たり平均賃金は前月比0.1%減少した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

<BNPパリバ(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏>

[東京 4日 ロイター] 日経平均は小動き、短期筋の利益確定売りも

[東京 4日 ロイター] -

<14:23>  日経平均は小動き、短期筋の利益確定売りも

日経平均は小動き、1万6900円台で推移している。マネーパートナーズグループ など材料性のある銘柄に資金が流入している。市場では「週末要因に加え、安値圏で買い向かった短期筋の利益確定売りも出て上値が抑えられている」(国内証券)との声が出ている。

2016年3月4日金曜日

[ワシントン 4日 ロイター]米2月雇用24.2万人の大幅増・失業率4.9%、緩やかな利上げ後押し

[ワシントン 4日 ロイター] -
米労働省が発表した2月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が24万2000人増となり、伸びは市場予想の19万人増を大きく上回った。労働市場の力強さが鮮明となったことでリセッション(景気後退)をめぐる懸念が一段と和らぎ、連邦準備理事会(FRB)による年内の緩やかな利上げ実施を後押しすると見られる。

失業率は4.9%と前月から横ばいとなり、8年ぶりの低水準を維持した。

12月、1月分は3万人の上方修正となった。

労働参加率は62.9%と、0.2%ポイント上昇した。

[香港/上海 4日 ロイター]焦点:上海不動産に新たなバブルの兆し、破裂の懸念広がる

[香港/上海 4日 ロイター] -
上海では不動産が熱狂的に買われており、新たなバブル形成の兆しが見える。このため2012年以降の中国の経済成長に打撃を与えた不動産市況の暴落が、また繰り返されるのではないかとの懸念が広がっている。

中国不動産情報集団(CRIC)の調査によると、2月の上海の住宅価格は前月比で3.6%上昇した。1月の前年同月比が17.5%の上昇と、中国全体の7倍もの伸びを記録した後で、さらに値上がりした形だ。

不動産市況の回復は、昨年夏までの上昇分の大半が帳消しになった株式市場に投資家が信頼を失ったことと軌を一にしている。

上海で購入した投資用集合住宅物件の所有権登録に並んでいたある男性は「(不動産)市場は再び狂乱状態になっているようだ。なぜだか分からないが、買うべき適切な時期なのだろう」と話した。

[東京 4日 ロイター]〔マーケットアイ〕金利:日銀が買い入れを通告、短国7500億円と長国1.26兆円

[東京 4日 ロイター] -

<10:14> 日銀が買い入れを通告、短国7500億円と長国1.26兆円

日銀は午前10時10分の金融調節で、国庫短期証券(TB)と国債の買い入れを通告した。TBの買入予定額は7500億円。国債は「残存1年超3年以下」(買入予定額4000億円)、「同3年超5年以下」(同4200億円)、「同10年超25年以下」」(同2600億円)、「同25年超」(同1800億円)が対象で、総額1兆2600億円。

国債買い入れはほぼ想定通り。国債先物は反応薄。

[東京 3日 ロイター] 自民党が移民に関する議論開始、3月中旬に特命委=木村参院議員

[東京 3日 ロイター] - 

自民党は、3月中旬に「労働力の確保に関する特命委員会」を立ち上げ、移民を含めた労働力としての外国人の受け入れに関する議論を開始する。特命委の委員長となる木村義雄参院議員が3日、ロイターに明らかにした。

同委では4月中に提言をまとめ、政府に提出する。木村氏が委員長を務め、顧問に野田毅氏、村上誠一郎氏、逢沢一郎氏などを迎える。

特命委の目的について、木村氏は「50年来のタブーを破って、外国人の労働力としての受け入れに関する議論に踏み込む」と述べた。

人口減少に伴う労働力人口の減少が予想され、「成長を確保するには、(外国人労働者を受け入れ)労働力を増やしていく以外に方法はない」とし、このタイミングでの特命委発足について「背に腹は代えられない」状況にあるからだと述べた。

[ソウル 4日 ロイター] 北朝鮮第1書記、「核兵器発射準備」を指示 先制攻撃態勢に転換

[ソウル 4日 ロイター] - 
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、敵からの脅威が高まっていることを踏まえて、いつでも核兵器を発射できる準備を整えておくよう命じたほか、軍を「先制攻撃」態勢に転換するよう指示した。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が4日、伝えた。米政府は報道を受け、北朝鮮に緊張をあおる挑発的な行動を控えるよう求めた。

国連安保理が今週、北朝鮮制裁の強化決議を全会一致で採択。その数時間後に北朝鮮は同国東海岸から短距離型の飛翔体数発を発射した、と韓国国防省が発表していた。

2016年3月3日木曜日

[2日 ロイター] コラム:大統領選敗北でも米経済に残る「トランプ効果」

James Saft

[2日 ロイター] - 2016年の米大統領選挙は、経済全体において労働分配率が高まり、資本分配率は低下する結果を生む構図になっている。つまりは、経済のパイを拡大するよりもそれをどう切り分けるかに重点が置かれているのかもしれない。

これは長期的な経済成長を抑制する可能性があるとともに、企業利益率を押し下げる流れになるのは間違いない。

スーパーチューズデーが終了した段階で、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官、共和党は不動産王のドナルド・トランプ氏がそれぞれの党候補指名を獲得しそうな情勢になった。

わたしは投資家のポジションや世論調査が現在示している通り、トランプ氏は11月の本選で敗北すると想定している。もしも彼が勝利するようなら、あなたの投資に最大限の幸運が舞い込むことを祈るしかない。

[東京 3日 ロイター] 〔マーケットアイ〕株式:日経平均は堅調もみ合い、メガバンクが騰勢持続

[東京 3日 ロイター] -

<14:02>  日経平均は堅調もみ合い、メガバンクが騰勢持続

日経平均は堅調もみ合い。1万6900円台前半での動きが続いている。三井住友FG の上昇率が9%に迫るなどメガバンクの騰勢が衰えない。市場では「空売り比率の低下が一巡してくると上値は重くなりそうだ。バリュエーションで選別物色する段階にはまだ入っていない」(国内証券)との声が出ている。

[ソウル 3日 ロイター] -北朝鮮が飛翔体を数発発射、短距離ミサイルか確認中

[ソウル 3日 ロイター] - 
韓国国防省は3日、北朝鮮が0100GMT(日本時間午前10時)頃、短距離型の飛翔体数発を発射したと発表した。

国防省は現在、短距離ミサイルか、砲弾なのか確認している。

国連安保理は前日、対北朝鮮制裁を大幅に拡大する決議を全会一致で採択したばかりで、これに反発した行為とみられる。

[ワシントン 2日 ロイター]米経済の拡大は総じて続く、状況はまだら模様=地区連銀経済報告

[ワシントン 2日 ロイター] -
米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)では、1月初旬から2月下旬にかけて米経済活動は大半の地区で引き続き拡大したものの、地域やセクター内で状況には著しい開きが見られたとの認識が示された。

今月15、16の両日には今後の金利動向を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるが、報告で描かれた米経済の姿は決定的にまちまちで、政策当局者の頭を悩ませることになりそうだ。

報告によると、消費支出は過半数の地区で増加した。ドル高やエネルギー分野の需要の弱さ、悪化する世界経済の見通しが重しとなる中、製造業の活動は横ばいだった。

昨年12月の利上げに踏み切った後、FRBはこれまで追加の金利引き上げを見送っている。世界経済の減速や金融環境のひっ迫、インフレ期待の低下が米経済に及ぼす影響を見極めるため、FRBは今月も利上げをしない可能性が高い。

2016年3月2日水曜日

[東京 2日 ロイター]〔マーケットアイ〕株式:日経平均は高値もみ合い、ウエート調整の買いも

[東京 2日 ロイター] -

<14:22>  日経平均は高値もみ合い、ウエート調整の買いも

日経平均は高値もみ合い、1万6700円台半ばで推移している。市場では「25日移動平均を抜いたことで買い戻しが加速した。日本株比率を落とし過ぎた投資家によるウエート調整の買いも入っている。もっとも、日本株を本格的に積み上げようという意図は感じられず、当面は反騰相場が続くとしても1万7500円付近が上限になりそう」(東海東京証券・国内証券営業推進部部長の静間康禎氏)との声が出ていた。

[1日 ロイター]スーパーチューズデー、トランプ氏とクリントン氏が6州で勝利

[1日 ロイター] -

米大統領選の民主・共和両党の候補指名争いは1日、最大のヤマ場となる「スーパーチューズデー」を迎えた。各種メディアによる直近報道によると、共和党のドナルド・トランプ氏が6州、民主党のクリントン前国務長官が6州でそれぞれ勝利の見通しになり、優位に立っている。

報道によれば、トランプ氏はアラバマ、アーカンソー、ジョージア、マサチューセッツ、テネシー、バージニアで勝利が確実。クリントン氏はアラバマ、アーカンソー、ジョージア、テネシー、テキサス、バージニアで勝利する見通し。

共和党はバーモント州で接戦が繰り広げられており、なお勝敗は予想できない。民主党はマサチューセッツ州で接戦。

<クルーズ氏、サンダース氏もそれぞれ2勝>

Spirit of Yachting - Rolex Middle Sea Race 2015


Cannons fired from the bastions of Grand Harbour in Malta as the yachtsmen set off on the 36th edition of the Rolex Middle Sea Race. This great regatta adventure featured a fleet of 111 yachts from 22 nations, ranging from 9 to 25 metres in length. The race action was intense from start to finish, covering one of the most scenic sailing courses in the world. Discover more on http://on.rolex.com/1oEwWiy

470 World ARGENTINA2016_Day3~5






[26日 ロイター]コラム:「トランプ大統領」を喜ぶのは誰か

John Lloyd

[26日 ロイター] - 世界的な脅威が増大するなか、その頂点にあるのは、おどけた仕草や罵声、高笑いだ。米国は、いや世界は、不動産王ドナルド・トランプ氏が主演するリアリティショーの虜になっている。

他のすべての米大統領選候補を合わせたよりも多くのテレビ放映時間やニュース紙面が、共和党の指名獲得を目指すトランプ氏一人に度々割かれている。

この自由世界のリーダー候補は、これまで1日たりとも、いや1時間たりとも公務に就いたことはない。テレビ番組「セレブリティ・アプレンティス」のホスト役を務めていた政治家トランプ氏は、政治の現場での修業は何一つやったことがない。

それこそまさにトランプ氏が支持される理由だ。富と名声で洗い清められたトランプ氏は、現実の政治によって汚されていないのである。

トランプ氏が大統領に当選する可能性は、依然として低いとはいえ、今やありえない話ではなくなってきた。選挙結果の予測がよく当たると言われる「ファイブサーティエイト」のネイト・シルバー氏は依然としてトランプ候補の指名獲得に懐疑的だが、以前に比べれば、はるかにそのトーンは落ちている。

(ロイターニュース編集部)アングル:怒りと不信、揺れる鴻海のシャープ買収交渉

このトップ会談で気まずい雰囲気は沈静化したと複数の関係者は話す。結局、シャープと鴻海は交渉期限を1―2週間延期することで合意した。

<郭マジックと日本側への配慮>

郭会長を知るある人物は言う。「彼は並外れた説得力を持つ男だ。しばしば、マジックをかける場面をこれまでも見てきた」。「彼はシャープ再建の青写真を持っている。企業再建のことは知り尽くしている」と、郭氏を知る別の関係者も指摘する。

鴻海側には過去のシャープとの長年の交渉で得た教訓もある。「郭会長は、日本の流儀や対処方法をもっとよく理解し、日本人のメンツを重んじるよう、交渉に当たる部下達に再三再四、指示している」と鴻海に近い関係者は語る。そして「トップと実務者を交えた直前の2、3日の協議で、両社の協調は改善するだろう」と楽観的な見通しを示している。

(ロイターニュース編集部)

2016年3月1日火曜日

[ワシントン 29日 ロイター]トランプ氏集会で黒人団体が抗議、KKK元幹部の支持拒否せず

[ワシントン 29日 ロイター] - 米大統領選の共和党指名候補争いでトップを走る不動産王のドナルド・トランプ氏が29日にバージニア州ラドフォードで開いた集会で、黒人市民団体などが抗議活動を繰り返し、集会が何度も中断する騒動になった。

トランプ氏は28日の米CNNとのインタビューで、白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の元指導者からの支持を明確に拒否せず、この姿勢に非難が強まっているが、この日の集会では批判を受け流した。

[北京 1日 ロイター] 中国海軍、初の自走式浮きドック導入 近代化進める

[北京 1日 ロイター] - 
中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」は1日、中国海軍として初の自走式浮きドック「the Huachuan No. 1」が任務に就いたと報じた。海岸から離れた場所でも軍艦を修理することができるようになり、中国海軍の近代化が一段と進む。

〔マーケットアイ〕株式:日経平均は再びマイナス圏、外部環境になお警戒感

[東京 1日 ロイター] -

<14:17>  日経平均は再びマイナス圏、外部環境になお警戒感

日経平均は再びマイナス圏。一時1万6100円に迫ったが、その後は伸び悩んでいる。「原油相場はこのところ落ち着いてはいるが、下値を模索する懸念も残っている。米連邦公開市場委員会(FOMC)前の波乱も警戒されており、日本株に対しても上値は追えない」(国内証券)との声が出ている。

[東京 1日ロイター] - コラム:深手負ったドル円、底入れは年末か=植野大作氏

[ロイター東京 1日] - 
早春の為替市場でドル円相場のトレンドが明確な下降局面に転じる兆しが現れた。昨年は1年もかけて10.0円の幅でしか動かなかったが、1月末から2月上旬にかけてわずか9営業日で10.7円も暴落、一時110.99円まで差し込んだからだ。

短期的にはさすがに売られ過ぎの感も強いため、この先どこかで5円程度の自律反発が生じる可能性はある。だが、多くのドル円ファンが、すう勢判断の際に重視している52週移動平均線は2月中旬を境に下向きに転じており、再び右肩上がりの傾向に復帰するためには、今すぐ120円台以上の水準に復帰した上で、6月初旬にかけては125円超の空中戦を再開しなければならない。

現在のドル円相場からみると相当に高いハードルだ。この先、ごく短期間に一気呵成の失地回復を遂げない限り、「右肩下がりに転じた52週線が現値の上から覆いかぶさる」という構図が定着しそうだ。このタイミングでドル円相場のチャート上に刻まれた10円以上の「差し込み傷」はあまりにも大きく、テクニカル的には上昇トレンドへの早期復帰がほぼ絶望的となる深手を負ったと判断せざるを得ない。

<1ドル=105円前後までの「差し込み」も想定すべき>