2016年7月28日木曜日

[北京 28日 ロイター BREAKINGVIEWS]コラム:中国の財テク商品規制、繰り返されるいたちごっこ

Rachel Morarjee

[北京 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

 中国の規制当局は短期投資を再び取り締まろうとしている。ロイターが27日に報じたところによると、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は、高利回りの金融商品である「理財商品」(ウェルス・マネジメント商品)の一部について小規模銀行が手掛けるのを禁じようとしている。

預金者の保護に加え、ローンのリパッケージに伴う危険性を抑制することにつながるかもしれないが、リスクを金融システムの別の部分に移転するだけだろう。

ルールの草案によると、当局は純資本が50億元(7億5000万ドル)未満で業界経験が3年未満の銀行を対象に、現金や債券といった資産に裏付けられたシンプルな投資商品以外の販売を禁じる意向だ。当局はまた、「良好な」監督上の評価を得ていない銀行が個人投資家にエキゾチック商品を販売するのを禁じることができる。

介入は歓迎でもあり、遅きに失した面もある。米格付け大手ムーディーズによると、2015年に中国で販売された理財商品のほぼ半分は個人投資家が購入。多くは銀行が販売する商品には暗黙の政府保証が付いていると思い込んでいる。

小規模銀行は法人融資を含む長期資産に裏付けられた高利回り商品のマーケティング活動を積極的に行い、12年以降で2倍強となっている理財商品市場をけん引している。これらリパッケージされたローンの一部は他行のバランスシートに記載されており、金融システムを通じてリスクを拡散させている。

ルールの引き締めにより、エキゾチック商品の販売は大規模かつ資本が充実し、預金者獲得にあくせくする必要のない国有銀行に限定されることになる。一部の比較的リスクが高い投資はおそらく、政府の支援がないノンバンク機関にシフトするのではないか。これは安全な銀行預金と投機資産の間により明確な線が引かれることにつながるだろう。

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